こんにちはきのこです♪
ダイビングのガイドを仕事をしているきのこですが、特にライセンスを取り立ての初心者の方は学科講習でなんとなく減圧症について学んだ程度であまり知識がないという方が多い印象です。
(というより、ライセンス取り立ての場合はそれが当たり前かもしれませんが)
中級者の方も、「よくわからないけどガイドについて行ってれば絶対に安全」と考えて、なんとなくで潜っている方も見受けられます。もっと言うと、ダイコンの使い方もわからずただ身に着けているだけという方も少なくありません。
そもそもダイビングにおいて、ライセンス取得後は自分自身の安全管理は原則自己責任ということを理解しておきましょう。
なんとなくでインストラクターやガイドに従うのではなく、自分自身を守るためにも、最低限の知識を持っておいたほうが良いでしょう。
知っておくことで不安が解消されダイビングがより楽しくなることもあるかと思います♪
ダイビングを安全に快適に行いたい初心者、中級者の方は、ぜひご覧ください♪
減圧症とは
減圧症は、気圧が下がったとき、体に溶解している気体(窒素等の不活性ガス)が体内で気泡となり発症する病気を言います。
減圧症は高圧の環境下から急速に減圧された場合に発症します。高圧の環境下では圧力に比例して体内に溶け込む窒素が増えるためです。
例えば、スキューバダイビングでは水深が深くなるごとに水圧が増え、体内に溶け込む窒素が増加します。浮上の際に、気泡ができないように適切な浮上速度を守れば減圧症になるリスクは大幅に低下します。
ダイビングにおいて減圧症のリスクを高める条件は以下の2つです。
(1) 体内に窒素をため込む・・・深い場所に長時間留まる
(2) 窒素が適切に排出されない・・・浮上速度が不適切(たいていの場合早すぎる)
減圧症の主な症状
減圧症を発症すると手足のしびれ、関節痛、全身のだるさ、めまい等のいずれかもしくは複数の症状がみられます。さらに重症の場合には意識障害や呼吸困難に陥ります。
減圧症のリスクを高める要因と予防する潜り方
ダイビングコンピュータ(以下ダイコン)を適切に使用した場合でも減圧症を発症するリスクはあります。これは体質の個人差によるものや、ちょっとした行動の違いや体調、水温、気温など様々な要因が関係するからと考えられます。
減圧症のリスクを高める誘因
<特に注意すべき誘因>
減圧症の既往、潜水深度が深い(水深30m以上)、1日の潜水回数が多い(1日3本以上)、潜行浮上を繰り返す、浮上速度が速い(18m/分)、水面休憩が短い(1時間30分未満)、減圧停止が必要なダイビング、脱水、息切れするほどの運動量、ダイビング後の冷え
<一般的な誘因>
潜水時間が長い、安全停止深度が深すぎる(もしくは浅すぎる)、安全停止時間が短すぎる(もしくは長すぎる)、リバースダイブをした、ダイビング後の激しい運動や飛行機搭乗、高所移動、中高齢者(37歳以上)、肥満、喫煙、高所潜水
<発症にかかわるとされる誘因>
月経中、二酸化炭素の蓄積(息をこらえたり、スキップ呼吸)、体調不良、疲労、ダイビング後の熱いお風呂、アルコール摂取、日ごろの運動不足
減圧症になるリスクを減らすためには以下をを心がけましょう。
<ダイビング前&日常生活>
水分を多くとる、前日にアルコールを控える、毎週90分以上の運動習慣、肥満にならないようにする
<ダイビング中>
●浮上速度・・・9m/分以下の速度で浮上するよう意識しましょう。
早すぎるの浮上はもちろんNGですが、遅すぎる浮上も体内に反って窒素が溜まるためNGです。
●安全停止・・・水深3~6mで3分以上の安全停止を行いましょう。
水深3~6mの範囲以外での安全停止だと、無意味ではありませんが窒素排出の効率が落ちると考えられます。また、安全停止が終了したからと言って一気に水面へ浮上するのはNGです。
その他ナイトロックスボンベを使う、リバースダイブはしない、息をこらえたりスキップ呼吸をしない、激しい運動をしない、控えめな潜水計画にする(特に37歳以上の中高齢者)、ディープストップをうまく取り入れる。
<ダイビング後>
激しい運動をしない、体を冷やさない、適切な水面休憩時間の確保(1時間45分以上が目安)、飛行機は18時間ルールを守る、高所移動を控える
ちょっとしたポイントですが、ガイドの方より気持ち浅めの水深をキープして付いていくと窒素もたまりずらいですし、エアの消費も抑えられるのでお勧めです♪
減圧症についてより体系的に学びたい方へ
山見信夫 著 「ドクター山見のダイビング医学」がおすすめです。
減圧症やみならず減圧症以外の病気について、メカニズムや予防方法について詳しく体系的に解説されています。これからダイビングを始める方や、長く安全に続けていきたい方は手元に置いておいて損は無いです。

まとめ
今回は、減圧症について現役でガイドをしている私きのこが解説しました。
自分自身を守るためにも、減圧症についてはしっかり理解して安全に快適にダイビングを行いましょう。
今回は以上です
では♪
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